土佐ジロー



 土佐ジローは、高知県畜産試験場が昭和54年度から開発を始め、昭和62年度には本格的なヒナの生産に入りました。

 

 高知県特産の土佐地鶏の雄と、アメリカ原産のロードアイランドレッド種の雌を交配して作られた一代雑種の卵肉兼用品種である。

体重は1.3 - 1.5Kgと比較的小柄の鶏である。

 

 土佐ジローの名称は、親鶏である土佐地鶏の地(ジ)とロードアイランドレッドの(ロー)から名付けました。

 

 ロードアイランドレッドの雌は土佐地鶏の雄より体格が大きい為、交尾がうまく出来ない。従って土佐ジローを繁殖するにあたっては土佐地鶏の雄から精子を採取しロードアイランドレッドの雌に人工授精させる必要がある。

 この作業が手間となり生産性が悪く、それを解決する為に土佐ジローの品種固定が高知県畜産試験場で行われている。

一代雑種から固定種にすることにより、土佐ジロー×土佐ジローの交配でも土佐ジローが生産できるようになり、飛躍的に生産性を上げる事が出来る。

 

 上記でも述べたように、体格の違いによる生産性の低さを解決するためにロードアイランドレッドを小型化する試みも行われた。

しかし、ただでさえ小型の土佐ジローが更に小さくなってしまうという問題からこれは見送られた。

 

 この段階で産まれた小型のロードアイランドレッドがペット用として「プチコッコ」と言う名称で販売されたが、鳥インフルエンザの影響で販売を自粛し、現在は流通していない。

 

  土佐ジローの飼養管理は、「土佐ジロー飼養マニュアル」に基づき、緑餌の給与や放し飼いを必須の飼養条件とするなかで、少ない羽数の飼養で比較的高い収益が得られることから、高知県が現在、中山間地域における複合経営の一つとして振興している畜産業です。

 

 土佐ジローの特長は、放し飼いのうえ牧草や野菜などの緑餌を多く与えているため、卵黄には豊富な栄養が含まれることです。

また、肉は脂肪分が少なく適度な歯ごたえがあり、食肉として高い評価を受けています。 

 


(左)プチコッコ
   :体重約1キログラム
(右)普通のロードアイランドレッド
   :体重約2キログラム  




 高知県畜産試験場  畜試だより106号  平成18年7月 


高知新聞 2012年12月10日

 

土佐ジロー純粋品種化間近

 

 本県の特産高級地鶏「土佐ジロー」(一代雑種=F1)を純粋品種化するユニークな取り組みが県畜産試験場(高岡郡佐川町)で進んでいる。ひな生産の低コスト化と供給量増大のためで、選抜育種を重ねて14年、新型ジローに向けた試験鶏は第15世代目(F15)に入り、事業は終盤。9月からは一般農家での実証飼育も始まった。