梅園禽譜

 国立国会図書館 近代デジタルライブラリー  古典籍資料


 毛利梅園画 天保10 (1839) 序自筆本 1帖

 

 梅園禽譜は幕臣毛利梅園の著作で、合計131品の水鳥と陸鳥を収載しています。


 

梅園禽譜

 49/111頁 鶏

 50/111頁 黄雌鶏 かしわ

 51/111頁 黒鶏

 52/111頁 矮鶏

 53/111頁 矮鶏 白雄鶏

 54/111頁 矮鶏 白雌鶏

 55/111頁 紅毛鶏 

       (阿蘭陀鶏)

 

禽類に漢種和品また異国の産蛮種の者多く有りて 此の地に舶来する者僅かに過ぎず 覧るを以て其の全形の親しきなるを之を模すと雖も 未だ周回せざる者また後に少からず また手に獲えたる者有れは俗間の伝習赭鞭家の説に倣う 己  

             天保十己亥啓蟄日  毛利元壽院

 

凡そ草木禽獣虫魚金玉土石を記せしは 神農本草を始とす三百六十五種を載たり 是を本経とす 是より以来歴代の名医各諸家の本草あり 名品漸く備われり 中華諸本草及び群書の禽類を記載す者 古来博洽の士と雖も 其の所説各同異有り 名実を相 る者少からず 師曠張華 禽経あり 叚成式 応鳥の譜あり 此の外にも禽類を記せし書多し 禽経曰く山禽の咮(クチバシ)多くは短し 水禽の咮多くは長し 山禽の尾多くはなかし 水禽の尾多くは短し 山禽は鵲類 水禽は鷺の類また曰く 鳥五穀を食む者は啄ばみ 皆短い善く搏鬭する者は利觜あり 山に住む鳥は咮短く尾長し 野に住む鳥は草に隠れる地に集まり 林に住む鳥は夜飛ばず 朝にさえずる水鳥は咮長く尾短りめ 夜る鳴いて夜飛ぶ 咮も方なれは足も方なり咮尖するとなれは 足も尖るなり 雀は夕に肓(クラミ)夜鷹は昼肓し 鵞鴨は翼あつて高く飛ぶを独りならず 皆鳥は雄大に羽美にめ猛(タケシ) 只鷹は雄小に雌大にめたけし 人は陽に属し禽獣虫魚は陰に属す 陽数は九に止まり 陰数は十に止まる 故に人には尾なく 物には尾あり      

                   

                       梅元壽記す

梅園禽譜 巻一目録 鶏 六品 紅毛鶏

鶏 ニワトリ ジトリ 油トリ 丹雄鶏

              己亥七月廿有六日庭園養者真写洞机下写

黄雌鶏 カシワ

黒鶏 シンクロト云 烏雌鶏

矮鶏(ワイケイ) チャボ

矮鶏 白雄鶏

矮鶏 白雌鶏

阿蘭陀鶏